
カルダモンは、緑色のふくらんださやの中に、15〜20粒の茶色い種がつまっています。樟脳(しょうのう)やレモンのような香りがして、種を口に入れると、かすかな刺激と清涼感、苦みが舌に残ります。サフラン、バニラに次いで世界で三番目に高価なスパイスで、「スパイスの女王」と呼ばれています。
料理に使うときは、さやを割って中の種を取り出し、軽くあぶってから粉末にします。インドではカレーパウダーやガラムマサラなどのミックススパイスに不可欠で、カレーやピラフ、デザート、チャイなど幅広く使われます。アラブ諸国では、コーヒーポットにさやごと入れて味をつけます。アラブの砂漠の遊牧民ベドウィン族は、カルダモンコーヒーで客をもてなす際、まずカルダモンを見せて、ふっくらと した質の良いものを使うことを示します。
スカンジナビアでも、カルダモンは広く使われています。スウェーデンではピクルスや魚のマリネ、パン生地に香りをつけたり、果物を煮るシロップに加えたりします。クリスマス時期には、カルダモンを使ったマルドワイン(砂糖、スパイス、柑橘類を入れて温めたワイン)を作って、マルドワインのパーティーを開きます。
カルダモンは南インドの西ゴーツ山脈(カルダモンヒルと呼ばれる)に自生する植物で、世界最古のスパイスの一つです。古代エジプトではミイラづくりや歯をきれいにするために用いられ、古代ギリシャや古代ローマでは、香料や消化剤、口臭消しに使われていました。スカンジナビアヘカルダモンを伝えたのは、ヴァイキン グでした。交易や略奪のために東西のヨーロッパヘ進出していたヴァイキングは、コンスタンティノープル(現在のトルコ)でこのスパイスと出会い、故郷へと伝えました。