タマリンド tamarind

クマリンドの莢と果肉

 タマリンドの木は高さ30メートルにもなる大木へ成長し、うっそうと葉を茂らせます。この木がつけるソラマメほどの大きさの英がタマリンドです。英は熟すにつれて緑色からさび色へ変わり、中につまった果肉も甘酸っぱいジャム状に変化していきます。

 収穫したタマリンドは、外殻が薄くてもろいので、手で簡単にむくことができます。取り出した果肉は、液体にして使います。果肉を少量の湯に浸し、やわらかくなったら手でもみほぐし、こして繊維と種を取り除きます。こうして抽出した液体は、糖蜜を思わせる甘い香りとフルーツのような酸味があります。料理に加えると深い 味わいとこくが出ます。スパイスやチリのヒリヒリとした辛みをやわらげる効果もあります(→抽出液のつくり方)

 タマリンドはインドや東南アジアで、レモン汁やライム汁のように使います。カレーやサンバル(辛いペースト状の調味料)、チャツネに入れたり、魚にかける甘辛いソースを作ります。タイではトムヤムクンをはじめ、鶏肉のココナッツミルクのスープ、焼きそば、青パパイヤのサラダのドレッシングなど様々な料理に加えます。中東ではタマリンドのシロップ で作ったレモネードのようなドリンクが人気です。中米や南米では、砂糖菓子やキャンディーに加工したりします。ヨーロッパでは、ウスターソースなどの調味料に使います。

 タマリンドの起源はアフリカの熱帯地域で、今もスーダン全土に自生しています。インドに伝わったのが非常に早く、有史以前から存在していたので、アラビア人に“thama-i-hindi”(インドのナツメヤシ) と呼ばれていました。果肉がナツメヤシに似ていたからです。これがタマリンドという名前の由来です。

 中世にはアラビアで人気があり、十字軍がヨーロッパに持ち帰りました。イギリスではのどの渇きを癒す植物として知られるようになります。インドを支配していた時代、イギリスの兵士たちは生のタマリンドを耳につめて現地の村に入りました。インド南東部の人たちは、生のタマリンドには悪霊が宿っていると考えていたので、そのようなことをする兵士たちを避けたといいます。

戻る