ミント mint

スペアミント(左)とペパーミント(右)

 ミントは南ヨーロッパ、地中海地域が原産のハーブで、世界中の温暖な地域に見られます。生命力の強い植物で、地下茎から新しい芽が次々と出て、広がっていきます。数千種類あり、アップルミントやパイナップルミントなど果物の香りがするものもあります。そうした中で、最もよく知られているのが、ペパーミントとスペアミントです。

 ペパーミントは、スーとした冷たい感覚を引き起こすのが特徴です。ガムやのど飴、虫さされの薬などに使われています。チョコミント味のアイスやカクテルに使われるのも、このミントで作ったリキュールです。

 スペアミントは香りが穏やかなので、さまざまな野菜や肉とよくあいます。イギリスでは、ラム肉のローストにミントソースをかけるのが伝統です。ギリシャのトマト料理、イランのヨーグルト料理、ベトナムでは春巻きのつけあわせにたっぷり使います。菓子やデザートに飾るハーブとしても定番です。シロップや牛乳、生クリームに香りをうつして、シャーベットやババロアにさわやかな風味を加えることもできます。

 モロッコの人々は、ミントティーを一日に10杯以上飲むといいます。作り方は、銀のポットに中国の緑茶、砂糖、湯を沸かして、ミントを一つかみ放り込みます。モロッコではこのハーブを、陶器やタイルの彩色にも使います。職人たちはミントの葉やサフランから、淡いグリーンや柔らかな黄色を取り出して、手作業で色をつけていきます。

 ミントは古くから殺菌作用が知られていました。古代ギリシャ人はこの葉で宴会用のテーブルをふいたり、浴槽に入れたりしていました。香りをネズミが嫌うため、中世にはチーズや穀物袋のそばに置いていたといいます。日本には12世紀、クールミントという清涼感の強い種類が、「ハッカ」として伝わっています。

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