ラベンダー lavender

イングリッシュラベンダー

 ラベンダーは分布する気候風土の多様さ、交雑しやすい性質、品種改良が盛んに行われたことから、数多くの品種があります。それらは大きく、イングリッシュ系、フレンチ系、その他いくつかのグループに分けられます。

 イングリッシュラベンダー(別名コモンラベンダー)は、寒さに強い、常緑の多年生植物です。精油をとることができるのは主にこのラベンダーで、やさしくフローラルな香りは調理にも向いています。フレンチラベンダーは、花穂の先にウサギの耳のような苞(花びらのように見える葉)があるのが特徴。暑さに強く、鼻につんとする香りがあって、古い時代から薬や化粧品に利用されてきました。

フレンチラベンダーの写真

 ラベンダーの利用法はさまざまです。乾燥した花を布袋に入れて匂い袋を作ったり、防虫剤として洋服ダンスや引き出しにしまったりします。煎じ薬や軟膏は、けがの消毒や虫さされ、火傷や打ち身をしたときに使います。精油をたらした水につけたタオルは、急性の痛みや炎症、発熱に効くシップになります。ハーブティーには、ストレスをやわらげて緊張をほぐす効果があります。

 ラベンダーの葉と花は、料理にもお菓子にも使うことができます。葉はローズマリー(リンク)のように頑丈なので、細かく刻んでから、肉料理やマリネに加えます(風味が強いので、控えめに使います)。花びらはそのままちらして飾りにしたり、刻んで焼き菓子の生地に混ぜたりします。シロップやワイン、生クリームに浸して香りを移し、デザートを作ることもできます。また、砂糖の容器に花をうずめて2週間ほど置くと、よい香りのラベンダーシュガーができます。

 ラベンダーは古代から、いろいろな場面で使われてきました。エジプトではミイラと一緒に埋葬され、ローマでは浴場の湯や洗濯の水に入れられていました。中世には、生活の悪臭を消すために人気で、修道院では市民の治療にも使われました。第一次世界大戦中、イギリスは薬品が不足して、負傷兵の傷の手当てに利用しています。

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