セージ sage

コモンセージ。5月に花が咲く

 赤紫色の葉を持つパープルセージ、黄色の模様が入ったゴールデンセージなど、セージにはさまざまな種類があります。その中で、料理や薬用に使われる代表的なセージは、コモンセージです。

 コモンセージは地中海沿岸の日当たりのいい斜面に自生する多年草で、成長すると茎は茶色く木のようになります。葉は少し肉厚で、ベルベットのようにしっとりした手触りです。ふわふわした毛におおわれていて、灰色がかった緑色はセージグリーンとも呼ばれます。

 葉には殺菌作用があり、強い香りと独特の苦みがあります。豚肉など脂っこい料理と相性がよく、消化を助けます。イタリアではレバーや仔牛にこのハーブを使い、ドイツではウナギと一緒に料理したり、ソーセージに入れたりします(ソーセージ sausageの語源は、雌豚sauとセージsageに由来するという説もあります)。地中海沿岸では、カバブという串焼き肉を、羊肉とセージの葉を交互に刺して作ります。

 イギリスには中世までさかのぼることのできるレシピに、セージの葉と玉葱をつめたガチョウのローストがあります。この2つはアヒルの丸焼きを作るときの材料でもあり、ピーターラビットの絵本に出てくるアヒルのジマイマは、きつねにだまされて、自分の丸焼きを作るためのセージをきつねに届けます。イングランド北部、ダービシャー地方には、セージダービーチーズという古いチーズがあります。白いチーズにセージの葉で大理石のような美しい緑色の模様をつけたもので、収穫祭やクリスマスなど特別な機会に作られてきました。

 このハーブは古代から薬草として有名で、長命の薬とされてきました。属名のサルヴィアsalviaは、ラテン語のsadvere(治療する、救い出す)またはsalveo(私は健康である)に由来します。中世には、「庭にセージを植えている者が、死ぬということがあるだろうか」という格言も生まれました。この時代の本に、食事の手洗い水としてセージ水を作ったり、セージや他のハーブを入れた熱湯の湯気で歯痛を治したりする方法も紹介されています。イギリスでは、「長生きしたい者は、5月(収穫期)にセージを食べよ」ということわざも生まれました。

 セージの種類

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